こんにちは、長井 達也です。
今回は、”自転車販売のネットショップ独立開業ガイド!開業資格・運営方法”です。
サイクルショップとして、自転車本体やパーツなどを取り扱うネットショップを開業されたい方にむけて、
- 自転車販売店(サイクルショップ)の現状
- 自転車・パーツ販売のネットショップ開業方法
- 自転車・パーツ販売のネットショップ集客・経営方法
について分かりやすく解説していきますね!
サイクルショップの現状
一般財団法人自転車産業振興協会の「 店舗規模別の1店舗当たり新車販売台数 (2020年)」によると、小規模なサイクルショップでは年間の自転車販売台数は僅か45台となっています。
もっとも自転車屋さんのビジネスモデルでは利益の8割が修理に関するものと言われており、自転車の販売自体に主軸を置く必要性はありません。
最近ではMTB/ロード/クロスバイクなどの修理・カスタマイズ専門店として、若い個人経営者さんが10坪前後の店舗を構えるケースも増えていますよね。
一方で自転車販売台数日本一のチェーン店といえば、ご存知の通り「サイクルベースあさひ」さんですが、通販に限っては自転車通販No1のサイマ(cyclema)が有名です。
サイマでは自転車は完全組立状態で配送され、送料は2000円(東京・大阪など)~10000円程度(北海道・沖縄)になります。
ただやはり疑問になるのが、通販で自転車を販売した後のアフターフォローですよね。
サイマ(cyclema)では、「新・サイマスタンダード安心パックというサービス」を提供しており、これに加入すれば、お店でパンクCARE(「パンク修理」「ブレーキ修理」「チェーン修理」「鍵の解錠」)・盗難補償・ロードサービス・自転車保険(付帯補償セット)などがセットになっています。
なお費用は最大6ヶ月無料、以後月額550円の料金になり、実際の修理は提携店舗で受けられます。
※パンク修理が受けられるのは3回/年まで、部品代は購入者負担となります。
サイクルショップがネット販売を行うメリットは?
自転車を購入しようと思えば、ホームセンターや、24時間営業のドン・キホーテなどで意外と手軽に、そして身近に購入する事が出来ます。
ただし多くの選択肢から選びたいなら、「サイクルベースあさひ」さんなど大型店が近所にないと難しくなります。
またMTB/ロード/クロスバイクなどは専門店でないと品数が揃いませんよね。
しかし自転車を購入したい人からすれば、家の近所にそれらがなく、車を保有していない方なら店舗から乗って帰るというのは難しい場合があります。
また修理・カスタマイズ専門店だけど少しは自転車販売したい、しかし店舗面積が小さいため商品を陳列できないという場合もあります。
つまり顧客のニーズもそうですが、店舗側のニーズとしても自転車をネット販売はすることにメリットがあります。
ただしアフターフォローとして自前で提携店を獲得するのは無理があるとおもいます。またサイマのレビューを多く見る限り、やはり到着時点での不具合はそれなりの割合で発生しています。
そこで折りたたみ自転車やミニベロなど比較的小さい自転車で梱包がしっかりできるものや、自転車のパーツ販売からまずは販売を開始してみてはどうでしょうか。
サイクルショップのネットショップ開業に必要な資格・許可
自転車販売のネットショップを開設する場合、特に必要となる資格や許可はありません。
ただし新規にネットショップを開設し個人事業主として事業を開始したい場合には、税務署に開業届の提出が必要です。
開業届とは、個人で新たにお金を生む仕事を始めたら開業準備から1カ月以内に税務署へ提出が必要な書類になります。
自転車のネットショップ 開業に必要な資格・許可 | 届出先 | 費用 |
---|---|---|
開業届(個人事業主) | 税務署 | 無料 |
なお個人事業主として事業を開始する際に提出が必要な開業届は、少し難しく分かりづらい書面になっています。
そこでお薦めするのが、簡単な質問に答えるだけで開業届が無料で作成出来る開業freeeです。
開業freeeなら確定申告でメリットが多い青色申告に必要な『青色申告承認申請書』も同時に作成する事が出来ます。
後はパソコンで開業届を印刷して税務署に郵送(2部郵送し、1部控え用で返却してもらいます)するだけでOKです。
自転車販売のネットショップ開業方法
自転車・パーツ販売のネットショップを開設・運営する方法として、まず2種類があります。
それはモール型とショッピングカート型です。
モール型とはAmazonや楽天市場、ヤフーショッピングなど1つのWEBサイトに複数のお店が出店しているショッピングモール型のネットショップ構築・運営サービスを言います。
一方ショッピングカート型とは、1つのお店単体のWEBサイトでネットショップが構築・運営出来るサービスを言い、base、makeshop、Shopifyなどがショッピングカート型サービスとして有名です。
モール型とショッピングカート型の違いは?
最近では初期費用0円、月額利用料も0円というショッピングカートも誕生しています。
そこでまずはネットショップの開業手段であるモール型とショッピングカート型の主な違いについて一覧にして説明します。
モール型 | ショッピングカート型 | |
出店コスト | 高い | 安い |
利益率 | 低い | 高い |
集客力 | 高い | 低い |
デザイン性 | 低い | 高い |
顧客情報の所有者 | モール運営側 | 店舗側 |
このようにモール型とショッツピングカートでは異なる特徴があります。
これらを踏まえて、貴方が自転車・パーツをネット上で販売したい場合、モール型とショッツピングカート型、どちらで開設するのが向いてるのか判断ポイントを記載しますね。
まずは自転車・パーツをネット上で販売する場合に、モール型が向いてる方の条件です。
モール型での出店が向いてる方
・知名度のある商材を低価格で販売可能な場合
・大量生産された商品を数多く販売したい場合
・売上金額を重視したい場合
・広告宣伝に予算を掛けられる方
続いて自転車・パーツをネット上で販売する場合に、ショッピングカート型が向いてる方の条件です。
カート型での出店が向いてる方
・知名度のない独自商品を販売したい場合
・ハンドメイドなど大量生産できない商品を販売したい場合
・利益率を重視したい場合
なおオムニチャネルの導入という意味では、実店舗運営者に関わらず積極的に売上高を追求するには、モールとショッピングカートの併用運用が望ましいと言えます。
ただしいきなり同時に開始するのは難しいと思いますので、まずはどちらかで開業をはじめましょう。
モール型ECサイト出店時の費用比較!
自転車・パーツ販売のネットショップ開業方法としてモール型を選択した場合、選択肢としてAmazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどがあります。
そこで各モールの最安値プランで料金を比較します。
Amazon | 楽天市場 | ヤフーショップ | |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 4,900円 | 19,500円 | 0円 |
販売手数料 | 8%~15% | 10%以上 | 6.5%以上 |
商品点数 | 無制限 | 5000点 | 20万点 |
出店条件 | 個人・法人 | 個人・法人 | 個人・法人 |
備考 | 販売手数料はカテゴリにより異なる | 販売手数料は利用料+決済手数料+ポイント原資他を含む。 | 販売手数料は利用料+決済手数料+ポイント原資他を含む。 |
ショッピングカート型ECサイト出店時の費用比較!
自転車・パーツ販売のネットショップ開業方法としてショッピングカート型を選択した場合、さらに選択肢として無料カートと有料カートの2種類があります。
無料カートとしてはbase、stores.jpなどが有名です。
また有料カートとしてmakeshop、Shopify、おちゃのこネット、カラーミーなどが有名です。
これら無料と有料での大きな違いは2点です。
注意ポイント
・無料カートは月額利用料が無料だが、販売手数料が高い。
・無料カートは原則として独自ドメインが利用出来ない。
無料のショッピングカートが向いてる方
自転車・パーツ販売のネットショップ開業方法として無料カートが適しているのは、月間売上高が約20万円以下、年間240万円以下の場合です。
なぜなら月間20万円以上の売上が近い将来見込めるなら、経費の損益分岐としては有料のショッピングカートのほうがお得になるからです。
また独自ドメインを選べた方が、SEO対策や将来的に何かしらの理由で別のショッピングカートに移転したい場合なども対応しやすくなります。
つまり少量生産しか出来ないオリジナルの自転車を販売する場合や、副業として気軽に自転車・パーツ販売のネットショップを開業されたい場合に限り無料カートでも良いと思います。
BASE STORES カラーミー おちゃのこネット 初期費用 0円 0円 0円 0円 月額料金 0円 0円 0円 0円 販売手数料 6.6% +¥40 5% 6.6% + 30円 6.6%(税別) 商品点数 無制限 無制限 無制限 100点 独自ドメイン ◯ ✕ ◯ ✕
※カラーミーは独自ドメイン利用時、独自SSLでの常時SSL:月額1,100円発生します
2024年1月18日現在
有料のショッピングカートが向いてる方
自転車・パーツ販売のネットショップ開業方法として有料カートが適しているのは月間売上高が約20万円以上、年間240万円以上を目指されたい方です。
また一般的にデザインのカスタマイズ性が高いのは有料カートとなります。
ですから将来的に利益がでた際、WEBデザイナーさんなどにデザインを依頼してブランディングを高めたいという場合にも有料カートはオススメです。
makeshop Shopify カラーミー おちゃのこネット 初期費用 11,000円 0円 3,300円 6,600円 月額料金 12,100円 25$ 4,950円 3,300円 販売手数料 3.19%~ 3.4% 4.0%~ 3.5%(税別) 商品点数 10,000点 無制限 無制限 5,000点 独自ドメイン ◯ ◯ ◯ ◯
※上記の初期費用は、独自ドメイン利用した場合の設定費用等が含まれています。
2022年4月7日現在
お薦め第1位 makeshop
MakeShopは上場会社GMOグループの子会社が提供するショッピングカート構築サービスです。
デザインカスタマイズ | ◎ |
Instagram連携 | ○ |
バリエーション登録 (カラーやサイズなど) | 2種類まで |
特徴としては各画面のHTML・CSSが編集する事が可能なので、プロのWEBデザイナーに制作を依頼すれば自由度の高いネットショップが開業できます。
またデザイン性の高いテンプレートも予め用意されているので、ホームページの作成が初心者の方でも手軽にネットショップが作成可能です。
料金体系も契約期間に応じて最大30%割引となります。
なお入荷前の新商品や話題商品を先行販売し、予約注文を受けることのできる予約販売機能もあります。
お薦め第2位 おちゃのこネット
おちゃのこネットは、高機能かつ低価格なショッピングカートとして有名です。
デザインカスタマイズ | ○ |
Instagram連携 | ○ |
バリエーション登録 (カラーやサイズ・男女など) | 3種類まで |
makeshopと同様にCSSが編集可能なので、比較的自由度の高いネットショップが構築できます。
またデザイン性の高いテンプレートも予め用意されているので、ホームページの作成が初心者の方でも手軽にネットショップを作成・開業可能です。
お薦め第3位 カラーミー
カラーミーショップはmakeshopと同じく上場会社GMOグループの子会社が提供するショッピングカート構築サービスです。
デザインカスタマイズ | ◎ |
Instagram連携 | ○ |
バリエーション登録 (カラーやサイズなど) | 2種類まで |
デザインテンプレートのHTMLやCSSが編集可能なので、自由度の高いネットショップサイトが構築できます。
ただしオプションの料金メニューが多く、分かりづらい面もあります。
お薦め第4位 Shopify
Shopify はカナダ発祥、世界175か国、1,700,00店舗を有する世界最大のショッピングカート構築サービスです。
デザインカスタマイズ | ◎ |
Instagram連携 | ○ |
バリエーション登録 (カラーやサイズなど) | 3種類まで |
ShopifyはHTMLやCSSが編集可能なので、デザイン自由度の高いネットショップサイトが構築できます。
ただし日本法人はありますが、サービス開発がカナダということもありどこまでローカライズ出来ているかというと疑問点もあります。
自転車の梱包方法について
自転車・パーツ販売のネットショップ開設準備が整ったら、次は梱包材などの手配です。
ダンボールなどの梱包材(ダンボール・クッション材・テープなど)は、取り扱う商材によってはネットショップの利益を圧迫するものとなります。
また、ダンボールの大きさや梱包方法によって運送会社の送料も大きく変動する場合がありますので、商材にマッチした梱包材を選ばないと不要なコストが発生します。
ネットショップ開業前に自転車・パーツに適切な梱包材を用意しましょう。
自転車の発送について
ネットショップ開設前に準備が必要なのが、運送会社との契約です。
個人宅への配送業者として基本的にヤマト運輸、佐川運輸、日本郵便の3社のいずれかで行うのが一般的です。
事前に最寄りの営業所に電話して、送り状を入手しておきましょう。
なお送り状作成には印刷出力する方法と手書きの2種類あり、入手先・方法は下記の通りとなります。
プリンタを用意して、印刷出力できるように準備することがオススメです。
なお配送拠点が東京等なら良いですが、沖縄・北海道など離島の場合、配送料が高くなるため事前に配送拠点の配置も検討が必要です。
確定申告
新規に個人事業主として自転車・パーツ販売のネットショップを開業した場合は、確定申告が必要になります。
確定申告とは、個人事業主の方が1月1日~12月31日までの1年間の営業結果を翌年の2月16日~3月15日の間に税務署に確定申告書を提出する事を言います。
また確定申告書を作成するには会計や簿記の知識が必要になるのですが、お小遣い帳感覚で開業し店舗の確定申告の作成が可能となる、クラウド型と呼ばれる確定申告書が作成出来る会計ソフトをご紹介します。
クラウド会計ソフトとはインターネット上で入力出来るソフトの事で、特に下記はいずれも会計の知識がなくても確定申告書を作成する事が可能です。
それでは早速おススメの3社のクラウド会計ソフトを比較していきます!
料金プラン1 料金プラン2 最安値&人気No1! レシートをスマホで撮影サービス名 初期費用 0円 0円 0円 対応
・青色申告
・白色申告
・青色申告
・白色申告
・青色申告
・白色申告セルフ
年9,680円スターター
年12,936円パーソナル
年12,936円
電話サポート付
年26,400円
消費税申告するなら
年26,136円
電話サポート付
年39,336 円特徴
1年間無料!
簡単に経理処理が出来る
2023年12月値上予定
2023/10/28 現在
まとめ
以上、自転車販売のネットショップ独立開業ガイド!開業資格・運営方法はいかがでしたか?
配送コストなどを考えると、比較的利益率の高いパーツ販売からスタートするか、ミニベロや折りたたみ自転車などがメインで、いわゆるママチャリなどはネットショップ販売にはあまり適しているとは言えないと思います。
まずは専門性に特化したサイクルショップを目指してみてはどうでしょうか。
ポイント
- 自転車・パーツをECのサイトで販売するには特に資格なく販売が可能。
- 自転車・パーツのECのサイト開設にはモール型とショッピングカート型の2種類がある。